専攻概要
専攻長メッセージ
九州大学大学院 医学系学府 医療経営・管理学専攻のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。本専攻は2001年、日本で2番目の公衆衛生系専門職大学院として設立され、「医療経営・管理学」に特化した日本初の大学院として歩みを始めました。以来20年以上にわたり、「理論と実践の架橋」を教育理念に掲げ、これまでに、病院管理者、政策担当者、データサイエンティストなど、医療のあらゆる領域において実践力を備えた専門職人材を輩出してまいりました。
現在、日本の医療は大きな転換点を迎えています。急速な人口減少と超高齢社会の進展、限られた財源の中での医療提供体制の維持、地域間の医療格差、医療従事者の慢性的な負担増加、さらには病院経営の不安定化など、構造的かつ複合的な課題が山積しています。加えて、医療DXの推進や生成AIの導入など、デジタル技術の進化は医療の在り方そのものに変革を迫っています。今、医療の現場には、変化を前向きにとらえ、柔軟に対応できる人材が強く求められています。このような時代に必要とされるのは、単なる知識や技術の習得にとどまらず、現場の課題を自ら発見し、科学的な視点で分析し、多様な専門職と協働しながら解決策を導き出す実践的能力をもつ人材です。こうした「高度職業専門人」の育成こそが、私たち専門職大学院の中核的な使命です。
本専攻では、疫学、生物統計学、健康政策管理学、社会行動学、環境健康科学といった公衆衛生の基盤領域に加えて、学術的・社会的、特定的・汎用的という二軸を意識しながら幅広い分野を体系的に学べるカリキュラムを提供しています。知識の習得に加えて、それを実際の医療現場で応用・実践できるよう、演習を通じてこうした力を涵養することを重視しています。また、本専攻には、医師、看護師、薬剤師、医療事務職、行政職、保険者、IT・教育・コンサルティング分野など、多様な背景を持つ学生が集い、互いに学び合いながら専門性を深めています。このような多職種間の学びの場は、新たな視点や価値観との出会いを通じて、より実践的かつ創造的な学びを促進します。修了後も専攻内外のネットワークを活かし、各分野での連携と継続的な学び・実践につなげています。さらに近年では、ビッグデータを活用した医療研究・政策評価にも注力しており、データ解析力や研究力を高めたいと望む学生のニーズにも応えられる教育体制を整えています。
本専攻は、九州大学医学研究院や附属病院、国内外の教育・研究機関、医療機関とも連携しながら、これからも世界水準の教育・研究拠点となるよう取り組んでまいりたいと考えています。医療の未来を見据え、課題に向き合い、変革に挑む「志」を持つ皆さまのご入学を心から歓迎いたしますとともに、社会への貢献をめざしてともに学べる日を心より楽しみにしております。

九州大学大学院医学系学府
医療経営・管理学 専攻長
松尾 龍