九州大学大学院 医学系学府 医療経営・管理学専攻のホームページをご覧いただきありがとうございます。

時代が求める新しいタイプの大学院、それが専門職大学院です。専門職大学院は、科学技術の進展や社会・経済のグローバル化に伴う、社会的・国際的に活躍できる高度専門職業人養成へのニーズの高まりに対応するため、高度専門職業人の養成に目的を特化した課程として創設されました。
特に高齢化の進展に対応して、またヒトを対象とした臨床研究・疫学研究の推進を図るためにも、公衆衛生分野における高度専門職業人の育成が課題とされてきました。そのような背景のもとに、医療疫学、医療経済、予防医療、国際保健、病院管理等の幅広い分野を含む公衆衛生分野の専門職大学院の整備が進められました。本専攻は公衆衛生専門職大学院としてわが国で二番目、医療経営・管理学分野としてはわが国で初めて設置された専門職大学院となります。
急激に進む少子高齢化、疾病構造の変化、医療技術の進歩など、わが国の保健医療を取り巻く環境は激変しています。人々が「安心・納得・一体感」を持って生活し、人生を過ごせるようにするには、どうしたらよいのか。本専攻は、これらの課題を解決すべく、専門分化した医療技術を統合・調整・組織化できる高度な専門職業人を育成しています。高度専門職業人の領域は多岐にわたり、そのニーズは増えています。本専攻では、疫学、生物統計学、健康政策管理学、社会行動学、環境健康科学を基本領域として、学術的/社会的、特定的/一般的の二つの軸で考えつつ医療に関する様々な教育を行なっています。社会からの要請に応えるため、社会人が仕事を続けながら通学できるように配慮をしています。
これまで本専攻は、さまざまな背景、進路希望を持つ学生を受け入れてきました。輩出した卒業生の中には、医師などの医療職や事務職等医療機関従事者のみならず、医療政策に関連した行政・保険関係者、医療経営・管理に関連した教育関係者/コンサルティング関係者/情報系関係者なども含まれ、わが国の医療経営・管理分野において中心的役割を果たしています。また、近年保健医療の領域でもビッグデータ、人工知能(AI)、IoT時代を迎え、その実践において中心的役割を担うにはデータサイエンスに関する能力も求められるようになってきました。最近はビッグデータ解析など最先端のデータ解析能力を身に付け、研究力を高めたいと希望する学生の入学も増えてきています。
本専攻は九州大学大学院 医学研究院、医学研究院附属施設、九州大学病院、さらには国内外の研究・教育機関、医療機関と連携して、医療経営・管理学分野における世界最高水準の研究・教育拠点として、今後も進化を続けていきたいと思います。これからも、この分野のリーダーとして社会を牽引できる人材を育成していきたいと思います。高い志を持った皆様のご入学を心から歓迎いたします。

九州大学大学院医学系学府医療経営・管理学 専攻長