4つの分野紹介 カリキュラム

医療経営・管理学専攻の授業計画

平成28年度授業計画(シラバス)

各分野の教育の組み立て

医療経営・管理学専攻の4つの分野

医療政策学分野

医療政策の目的は、医療を受ける権利を保障し、医療費をコントロールし、医療の質を向上させることである。わが国の国民皆保険制度は、事業主に被雇用者と被扶養者に被用者健康保険に加入することを義務付け、被用者保険に所属しないものすべてを強制的に国民健康保険制度に加入させることによって成立させている。それに加えて、2008年度から、75歳以上の独立した後期高齢者医療制度が設立されている。しかしながら、高齢化の影響と保険料収入の減少によって保険者の財政は急速に悪化しており,わが国の国民皆保険制度は危機に瀕している。さらに、生活習慣病、変性疾患、精神疾患などの慢性疾患や障害が医療の対象の中心となっており、これらの診療は複雑であり、患者とは継続的な関係性が求められている。医療政策を検討していくには、このような財政的な問題や医療ニーズのパラダイムの転換を認識することが不可欠である。医療政策学分野では、社会保障の理念と仕組み、現行制度の問題点を把握し、社会変容に対応した公正で効率の良い医療システムの構築を目指す教育研究を推進する。

医療経営学分野

医療技術の進歩・高齢化の進展が医療介護給付費を増大させる一方、少子化の拡大・経済の停滞は医療介護財源を縮小させています。限られた資源を効率的に配分するための経営管理の必要性がますます高まっています。
医療経営学分野では、医療技術・医療提供体制の費用対効果評価,科学的根拠に基づいた医療機関経営,医療安全・医療の質の定量的評価などについて学び、統計学、疫学、経済学、経営学などの諸科学に立脚した上で、医療従事者や医療政策立案者の意思決定を支援するためのエビデンスを構築・発信していきます。

医療管理学分野

病院などの医療機関の管理をめぐる様々な問題とリスクマネジメントを含む具体的な管理の手法について、安全管理、質の管理、質と患者満足、医療におけるリスクマネジメントを通して学んでいく。
医療管理の具体的アプローチには、診療か・医療チームの編成、作業方法・稼働率の分析、院内レイアウトから診療計画、作業標準時間の設定、医療情報の伝達分析、医療時事故・紛争発生の予防など様々なものがあり、時代・社会・地域・他の産業という広い視点から医療管理の課題と問題解決のための手法を習得する。

とくに最近は患者の権利意識の高まりのなか、医療訴訟が増加しており、その訴因の分析と状況把握、解決の方策なども学ぶ。

医療コミュニケーション学分野

医療の現場には、医療者と患者、医療者と患者の家族、患者同士、医療者同士、マスメディアとの関係など網の目のようなコミュニケーションが成り立っている。

患者を取り巻くこのような環境の中で、患者を軸にしてよりよいコミュニケーションはどうしたら実現できるか、コミュニケーションの破綻に繋がる問題は何か、その解決は可能か、医療者と患者や家族とのコミュニケーションを有効にするには何が必要なのか、コミュニケーションが健康の維持・増進やQOL(生活の質)の向上にどう貢献できるかなど、医療事故や臓器移植、ストレスの増大と高齢化など今日の様々な医療の課題についてコミュニケーションの機能と可能性について学んでいく。